【X状の図形商標の類否】
投稿日:2026年6月8日 |
![]()
著者:弁理士 大塚 啓生
|
参照条文/キーワード/論点 |
図形商標の類否/商標法4条1項11号 |
ポイント
※ 本件は、拒絶査定不服審判の請求不成立審決に対する取消訴訟である。 |
判決概要 |
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所第3部 |
| 判決言渡日 | 令和4年12月13日 |
| 事件番号 | 令和4年(行ケ)第10095号 |
| 事件名 | 審決取消請求事件 |
| 裁判長裁判官
裁判官 裁判官 |
東海林 保
中平 健 都野 道紀 |
事案の概要
原告が商願2020-96655号「
」(以下、「本願商標」という。)の出願をしたところ、商標登録第4616840号「
」」(以下、「引用商標1」という。)及び商標登録第5348806号「
」(以下、「引用商標2」という。)を引用して拒絶査定を受け、当該査定に対して拒絶査定不服審判を請求したところ、特許庁の審判において請求不成立の審決がされたため原告が上訴した事件。裁判所においても、審決の判断と同様に原告の請求は棄却された。
争点
図形商標の類否
審決の判断
本願商標と各引用商標とを比較すると、いずれも「X」型の十字形状が左側(反時計回り方向)に傾いた形で組み合わされた2本の帯からなり、帯の輪郭線のうち、短辺が直線、長辺が鋸歯状に表されている点、及び、「X」型の十字の交点から右下に伸びる部分が左上に伸びる部分よりも長くなっている点において共通しており、かかる構成態様は、需要者に対して商品の出所識別標識として強い印象を与える識別力の強い部分と認められる。
他方、本願商標は2本の帯を重なるように交差させているのに対し、各引用商標は一体的に交差させている点、及び、本願商標は各帯状図形の、長辺輪郭線の内側にそれぞれ破線を有しているのに対し、各引用商標は輪郭線内に破線を有さない点において、外観上の差異を有するが、これらの相違点は、上記共通点に比較して、比較的印象に残りにくい構成要素にすぎず、需要者に対して商品の出所識別標識として強い印象を与えるものとはいえない。
そうすると、本願商標と各引用商標とは、外観から記憶される印象が似通っているから、時と所を異にして離隔的に観察したときには相紛らわしい。
判旨
1.取消事由(1)(各引用商標の認定の誤り)について
(1)引用商標1について
ア 外観の認定
(ア)引用商標1は、欧文字の「X」型十字が左側(反時計回り方向)に傾いた形で組み合わされた白抜きの2本の帯の図形からなり、帯の輪郭線のうち、短辺が直線、長辺が鋸歯状に表され、「X」型十字の交点から右下に伸びる部分が左上に伸びる部分よりも長くなっている。
したがって、本件審決が、引用商標1について、「組み合わされた白抜きの2本の帯からなり」と認定したことに誤りはない。
(イ)この点に関して、原告は、引用商標1は白抜きの「X」型十字であるから、外観上、「X」型十字の単体の図形としか見えず、二つの図形が重なり合って生じたとは全く想起されないと主張し、関連商標の登録異議決定(異議2021-900178号)の認定を指摘する。
しかし、引用商標1は、その鋸歯状の輪郭線部分が、右上部から左下部へと、また、左上部から右下部へと、中央部に白抜きの短い間隔を有するものの、つながるように直線上に配置されており、一見すると、右上部から左下部への長辺部分が鋸歯状で描かれた幅広の帯と、左上部から右下部への長辺部分が鋸歯状で描かれた幅広の帯の、2本の帯状図形が、それらの中間付近で交差した構成からなると認識されるものというべきである。また、関連商標の登録異議決定が原告の指摘するような認定を行っていたとしても、本件における上記認定が否定されるものではない。
したがって、原告の上記主張は採用することができない。
イ 称呼及び観念の認定
(ア)引用商標1は、その外観から、全体として、輪郭線のほとんどが鋸歯状になった、右下に伸びる帯が左上に伸びる帯より長い「X」型の十字形状といった印象を与えるものということができ、そのような漠然とした印象によって需要者に記憶されるものと認められる。そして、引用商標1は、「X」型の十字形状ではあるが、特定の文字又は事物を表しているとは直ちに認識できないから、これにより特定の称呼及び観念が生じるとは認められない。
したがって、本件審決が、「引用商標1は、『X』型の十字形状ではあるが、特定の文字を表してなるとは直ちに認識できないから、これより特定の称呼及び観念は生じない。」と認定したことに誤りはない。
(イ)この点に関して、原告は、引用商標1の白抜きの「X」型十字形状は、かご字又は太字の欧文字「エックス」と、その外観において何ら異なるところはないから、欧文字「エックス」の称呼及び観念が生じると主張し、引用商標1の商標出願・登録情報には、「X」を特殊な書体で表現した文字であることを意味する図形分類コードが付され、称呼欄にも「エックス」と記載されていることを指摘する。
しかし、引用商標1は、全体を概観して得た印象として、「X」型十字形状と認識されるものであるとしても、そこから直ちに、文字としての称呼及び観念を生じるということはできない。引用商標1は、アルファベットを表記するために広く使用される書体のいずれかの書体をもって表した「X」のアルファベットとは、形状が異なっているため、文字自体を表したものとは認識されないと認められる。また、登録商標の範囲は、願書に記載した商標に基づいて定められるものであり(商標法27条1項)、引用商標1の商標出願・登録情報に、「X」を特殊な書体で表現した文字であることを意味する図形分類コードが付され、称呼欄に「エックス」と記載されていても、それは検索のための参考情報にとどまるから、それによって直ちに称呼、観念が定められるものではない。
したがって、原告の上記主張は採用することができない。
(2)引用商標2について
(中略)
イ 称呼及び観念の認定
(ア)引用商標2は、その外観から、全体として、輪郭線のほとんどが鋸歯状になった、右下に伸びる帯が左上に伸びる帯より長い「X」型の十字形状といった印象を与えるものということができ、そのような漠然とした印象によって需要者に記憶されるものと認められる。そして、引用商標2は、「X」型の十字形状ではあるが、特定の文字又は事物を表しているとは直ちに認識できないから、これより特定の称呼及び観念が生じるとは認められない。
したがって、本件審決が、「引用商標2は、『X』型の十字形状ではあるが、特定の文字を表してなるとは直ちに認識できないから、これより特定の称呼及び観念は生じない。」と認定したことに誤りはない。
(イ)この点に関して、原告は、引用商標2の白抜きの「X」型十字形状は、引用商標1と同様に、欧文字「エックス」の称呼及び観念が生じると主張し、①引用商標2の商標出願・登録情報には、「X」を特殊な書体で表現した文字であることを意味する図形分類コードが付され、称呼欄にも「エックス」と記載されていること、②引用商標2は、引用商標1と比べて、図形の中央から右下に伸びる部分の長さと左上に伸びる部分の長さの差が小さく、より欧文字「エックス」の形状に近いこと、さらに、③引用商標2を構成中に含む出願商標(商願2010-51015号) について、「X GAMES」の標準文字からなる先行商標(登録第4854749号)との類似を理由に拒絶査定がされ、その拒絶査定不服審判の請求不成立審決において、上記出願商標が「エックスゲーム」の称呼を生じると認定されていることを指摘する1 。
しかし、上記①については、引用商標2の商標出願・登録情報の図形分類コードや称呼欄の記載は、検索のための参考情報にとどまるから、それによって直ちに称呼及び観念が定められるものではなく、上記②については、引用商標2が、引用商標1と比べて、図形の中央から右下に伸びる部分の長さと左上に伸びる部分の長さの差が小さいとしても、アルファベットを表記するために広く使用される書体の「X」とは形状が異なっている上、「X」型十字形状が左側(反時計回り方向)に傾いていることから、十字形を連想させるともみられ、欧文字「エックス」の称呼及び観念を生ずるとはいえない。さらに、上記③については、引用商標2を構成中に含む出願商標(商願2010-51015号)の拒絶査定不服審判の請求不成立審決において、上記出願商標が「エックスゲーム」の称呼を生じると認定されているとしても、それが本件における商標の称呼の認定に直接影響するものではないし、上記出願商標は、引用商標2と同様の図形と「GAME」という文字から構成されるものであり、引用商標2そのものとは異なるから、その点においても、上記請求不成立審決の認定が、本件における引用商標2の称呼の認定に直接当てはまるわけではないというべきである。
したがって、原告の上記主張は採用することができない。
2.取消事由(2)(本願商標と各引用商標の類否判断の誤り)について
(中略)
(2)外観の比較
ア 本願商標と各引用商標の外観とを比較すると、いずれも「X」型の十字が左側(反時計回り方向)に傾いた形で組み合わされた2本の帯の図形からなり、帯の輪郭線のうち、短辺が直線、長辺が鋸歯状に表されている点、及び「X」型の十字の交点から右下に伸びる部分が左上に伸びる部分よりも長くなっている点において共通しており、全体として、輪郭線のほとんどが鋸歯状になった、右下に伸びる帯が左上に伸びる帯より長い「X」型 の十字形状といった印象を与え、そのような漠然とした印象によって需要者に記憶されるという点において共通するものである。
他方、本願商標と各引用商標とは、いずれもそれぞれを子細に対比観察するならば、本願商標は2本の帯を重なるように交差させているのに対し、各引用商標は一体的に交差させている点、及び本願商標は各帯状図形の、長辺輪郭線の内側にそれぞれ破線を有しているのに対し、各引用商標は輪郭線内に破線を有さない点において、外観上の差異を有するが、これらの相違点は、上記の商標全体として需要者に与える印象、記憶、連想等における共通点に比較してささいな点であり、殊更強い印象を与えるものではなく、需要者の記憶に残るものともいえない。
加えて、本願商標と各引用商標の各指定商品は、いずれも、履物、運動用特殊靴等という日用品であり、その需要者は一般消費者であって、取引の際に払われる注意力はさほど高いとはいえないものであり、また、これえら(原文ママ)の商品の性質上、多くの場合、これに付された商標の一見した印象によって商品の出所を識別することが多い実情にあることは経験則上容易に推認し得るものであることを併せ考慮すれば、本願商標と各引用商標をいずれも時と所を異にして離隔的に観察した場合、需要者が両者を区別することは困難であるといえるから、本願商標と引用商標1並びに本願商標と引用商標2とは、いずれも外観において類似するものと認めるのが相当である。
したがって、本件審決が、本願商標と各引用商標が、「『X』型の十字形状が左側(反時計回り方向)に傾いた形で組み合わされた2本の帯からなり、帯の輪郭線のうち、短辺が直線、長辺が鋸歯状に表されている点、及び、『X』型の十字の交点から右下に伸びる部分が左上に伸びる部分よりも長くなっている点において共通しており、かかる構成態様は、需要者に対して商品の出所識別標識として強い印象を与える識別力の強い部分と認められるものである。」と判断したことに誤りはない。
イ この点に関して、原告は、組み合わされた2本の帯からなる点は、本願商標のみにある形状であり、共通点ではないと主張するが、各引用商標について、2本の帯状図形が、それらの中間付近で交差した構成からなると認識されるものと認められることは、前記1(1)ア及び(2)アのとおりであるから、原告の上記主張は採用することができない。
また、原告は、「X」型の十字の交点から左上に伸びる部分と右下に伸びる部分の比率は、本願商標が1:1.7であるのに対し、引用商標1は1:2.3と大きく異なり、引用商標2も1:1.5であって異なる上、十字の交点から右上に伸びる部分と左下に伸びる部分の長さの、図形全体に対する比率も、本願商標と各引用商標とでは異なり、これらの相違点を無視して、単に「X」型の十字の交点から右下に伸びる部分が左上に伸びる部分よりも長くなっているというごく抽象的な形状を根拠に、本件審決が、本願商標と各引用商標とが、識別力の強い部分において共通していると判断したのは誤りであると主張する。
しかし、商標の類否判断は、対比する両商標を時と所を異にして離隔的に観察する場合に混同を生じるかどうかも考慮して行うべきであり、また、指定商品の需要者が通常有する注意力を基準として判断すべきであるところ、本願商標と各引用商標の各指定商品は、いずれも、履物、運動用特殊靴等という日用品であるから、その需要者は一般消費者であって、取引の際に払われる注意力はさほど高いとはいえないし、本願商標と各引用商標との間における、「X」型の十字の交点から右下に伸びる部分と左上に伸びる部分との比率の差異は、それほど大きなものとはいえない。そうする と、需要者が、上記比率について、本願商標の比率(1:1.7)を記憶し、その上で、時と所を異にして、引用商標1の比率(1:2.3)又は引用商標2の比率(1:1.5)と比較し、それらの違いを認識するとは考え難いというべきである。むしろ、需要者の通常有する注意力を踏まえ、時と所を異にして離隔的に観察される場合には、本願商標と各引用商標は、全体として、輪郭線のほとんどが鋸歯状になった、右下に伸びる帯が左上に伸びる帯より長い「X」型の十字形状といった印象を与え、そのような漠然とした印象によって需要者に記憶されるという点において共通するものと認められる。
したがって、原告の上記主張は採用することができない。
(3)取引の実情
ア 商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではない(最高裁昭和47年(行ツ)第33号同49年4月25日第一小法廷判決参照)。
本願商標と各引用商標の指定商品は、いずれも、履物、運動用特殊靴等という日用品であり、一般消費者によって日常的に取引され、実用に供されるものであり、これらの指定商品について特に出所に注意を払って購入するという取引の実情があるとは認められない。
イ この点に関して、原告は、スニーカー、履物のようなファッション商品については、需要者にとって、商品デザインが商品の選択・購入において重要であり、特にスポーツシューズの場合、購入時に需要者が側面のデザインに注意を払うことは普通のことであり、需要者は、商品を手に取った上で、デザインを含め、入念に確認するから、側面の質感・素材・色・縫い目(破線)のデザインは、商品の重要な識別ポイントとなり、実際に、「履物」、「靴類」等を指定商品とするスニーカーの側面のデザインに関する商標出願及び登録が多いことからも、そのようにいえるとし、したがって、このような取引の実情からすれば、需要者は、本願商標及び各引用商標の指定商品である履物の側面のデザインには、特に注意を払って観察するため、より細部の違いに着目するのであって、そのような取引の実情を考慮せず、抽象的な形状の共通点のみを根拠に類否を判断した本件審決の判断は誤りである旨主張する。
しかし、商標の類否は、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであるところ、原告の主張する取引の実情は、商品デザイン(意匠)に関するものであり、商標の類否判断に直接影響するものとはいえない。また、本願商標は、商標法施行規則4条の6において規定される商標に係る標章を付する位置が特定される商標(位置商標)ではないし、本願商標の指定商品は、スポーツシューズ以外の履物を含むから、本願商標がスポーツシューズの側面にのみ付されることを前提とする議論は、指定商品全般についての一般的、恒常的な取引の実情ではなく、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情に該当するとはいえない。
したがって、原告の上記主張は採用することができない。
(4)類否判断
ア(ア)前記(2)のとおり、本願商標と引用商標1、本願商標と引用商標2とは、いずれも外観において類似するものと認められる。
(イ)本願商標は、外観においては、全体として、輪郭線のほとんどが鋸歯状になった、右下に伸びる帯が左上に伸びる帯より長い「X」型の十字形状といった印象を与えるものということができ、そのような漠然とした印象によって需要者に記憶されるものといえる。そして、本願商標は、「X」型の十字形状ではあるが、特定の文字又は事物を表しているとは直ちに認識できないから、これより特定の称呼及び観念は生じない。
他方、前記1(1)イ及び(2)イのとおり、引用商標1及び引用商標2は、いずれも「X」型の十字形状ではあるが、特定の文字又は事物を表しているとは直ちに認識できないから、これより特定の称呼及び観念が生じるとは認められない。
そうすると、本願商標と各引用商標は、いずれも特定の称呼及び観念を生じないため、称呼及び観念において相互に比較することはできない。
(ウ)このように、本願商標と各引用商標は、称呼及び観念において比較できないが、外観において類似しているから、それによって需要者、取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と各引用商標は、これらを同一又は類似の商品について使用するときは、その商品の出所について誤認混同を生じるおそれがあり、類似する商標であると認められる。
したがって、本件審決が、本願商標と各引用商標が類似であるとした判断に誤りはない。
(エ)なお、前記1(1)イ(ア)及び(2)イ(ア)のとおり、各引用商標は、その外観から、全体として、輪郭線のほとんどが鋸歯状になった、右下に伸びる帯が左上に伸びる帯より長い「X」型の十字形状といった印象を与えるものであるところ、仮に、このような印象のみにより、各引用商標が「エックス」の称呼及び観念を生じるとするならば、本願商標も、全体としてそのような印象を与える点で共通するといえるから(前記(2)ア)、本願商標も「エックス」の称呼及び観念を生じるということになる。
したがって、本願商標と各引用商標は、外観において類似し、称呼及び観念において同一ということになるから、類似するといえる。
1「
」と「X GAME」が類似と判断された(不服2011-7079)解説/検討
図形商標の類否判断の難しさを改めて感じた事案である。本裁判所が認定したように、「全体として、輪郭線のほとんどが鋸歯状になった、右下に伸びる帯が左上に伸びる帯より長い『X』型の十字形状といった印象」は共通しているが、本願商標は交差した輪郭線があるのに対し各引用商標は白抜きのX型状に描かれており、その意味では外観の印象が異なるようにも思える。
しかし、本判決において指摘するように、商標の類否は商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであって、細かな形状の違いによって判断するのは意匠の分野といえよう。また、本判決では、類否判断にあたって離隔観察していることや、履物・運動用特殊靴等という日用品においては需要者の注意力が高くはないことを考慮している点も評価できる。そのため、本判決の論理構成は適当であって、類似するとの判断は妥当と考える。
なお、原告が出願した別の図形商標(登録第6356046号。下記参照)については、各引用商標が審査で引用されることなく登録が認められており、引用商標の権利者である株式会社コマリヨーが異議を申立てたものの、登録維持の決定がされている(異議2021-900178)。登録異議申立てにおいては、「本願商標と各引用商標が欧文字の「X」型十字を、左側(反時計回り方向)に傾けた形状である点は共通する」と認定したうえで、
「しかしながら、本件商標が2本の帯状の図形を重ねたように表されているのに対し、引用商標1は図形の輪郭を太字の線でかご字風に表されている点、本件商標が帯状の図形内に破線を有するのに対し、引用商標1は図形内を空白で表している点、本件商標を構成する帯状の図形(前面)の下端部が角を有するのに対し、引用商標1の中央から左下に伸びた下端部の短辺は直線である点、本件商標を構成する帯状の図形(背面)の下端部の短辺と、引用商標の中央から右下に伸びた下端部の短辺の、傾斜の向きが異なる点といった、両商標を構成する図形の特徴が大きく相違するものである。
そうすると、これらの相違点が、外観上の顕著な差異として看者に強い印象を与えるというべきであるから、両商標は外観において、判然と区別することができ、相紛れるおそれはない。
また、本件商標と引用商標1は、ともに称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念において比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標1は、外観において、相紛れるおそれはなく、称呼及び観念において比較することができないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。」と判断している。
=
≠

